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【ら・し・さの終活講座第24回】「遺品整理と生前整理~家族のために、自分のために~」

報告宮田美紀

2018年2回目の終活講座は「遺品整理と生前整理」についてです。第1部の講師は、株式会社ワンズライフ代表取締役でもあり、一般社団法人遺品整理士認定協会遺品整理士、遺品査定士でもいらっしゃる上野(うわの)貴子さん、第2部の講師は、横浜Tキューブ・スタイル代表、整理収納アドバイザー1級認定講師として活躍されている藤岡聖子さんです。

第1部の講師上野さんは、IT関係のお仕事をされていらしたのですが、2015年8月に、誰もが笑顔で人生の終焉を迎えられる社会を作りたいと、遺品整理、生前整理の専門会社ワンズライフを立ち上げられたそうです。遺品整理は亡くなった方の荷物を片づけること、生前整理は介護施設などに入居する方の荷物を片づけることを指しているということでした。

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上野貴子さん

 

遺品整理はここ10年くらいで注目されるようになった分野ですが、以前は不当な高額請求や不法投棄、窃盗行為などの問題も指摘されていました。遺品整理や生前整理をお願いする人達は不安でいっぱいです。上野さんの会社では、担当者を最初から最後まで同じにするなど、消費者目線に立った細やかな心配りを心がけているそうです。

同社では、リサイクルするものや残すもの、捨てるものなどに分け、10品目以上に仕分けをして段ボールに梱包します。なるべくゴミ袋に入れないのは、天国への引っ越しと考えているからだそうです。この心づかいには頭が下がりました。

上野さんは独居老人の孤独死の現場で立ち会われることも多いそうですが、そういう場で遭遇するタンス預金の問題も指摘されていました。誰もタンス預金に気づかず廃棄されてしまっては、「誰かに残したい」という個人の遺志がゴミになってしまいます。改めて終活の必要性を感じました。

最後に超高齢化が進む日本では、死後・生前の家財整理のサービスが社会から強く求められていることや、終活で繋がる仲間とプロの専門分野のチームで社会に貢献できる喜びを強く語っていらっしゃいました。

私は上野さんが覚悟をもって会社を立ち上げられ、終活に取り組まれている姿を見て、私自身何ができるのかと考える良い機会でもありました。

 

第2部では「片づけセラピスト」の藤岡聖子さんからお話を伺いました。高齢期の幸齢整理®を終活のテーマにされているとのことでした。幸齢整理®とは藤岡さんの造語で、幸せに歳を重ねるための整理という意味だそうです。

藤岡聖子さん
藤岡聖子さん

 

まず、物の整理をすることは、脳内に快感物質が出て頭や心の整理につながることを知りました。片づけの順番としては、①整理②収納③整頓の順で行うことが重要で、物を買うときには、まず使わないものを処分してから買うというある意味逆転の発想を教えて頂きました。

子供のころから片づかない家に住んでいると大人になっても片づけ方がわからず、また片づいていなくても問題と思わなくなるとのこと。積み重なれば、心にも体にも影響がでるそうです。片づけられないのは物が多いからです。だからこそ、物が増えたら古いものから手放し、適正量を維持することが重要とお話しされました。

減らすことも大切ですが、分類して適材適所に保管して使いやすくすることも大切です。たとえばハサミなどはいろいろな場所で使用するので各部屋に分けて収納しておく、食品などを同じ用途別にボックスに分けて収納する、などを事例として挙げてくださいました。このような収納方法を私自身は考えつかなかったので、ちょっとした収納のコツを教えて頂くと片づけも楽しくなりそうだなと思いました。

最後に「物の整理は頭の整理、頭の整理は心の整理」というお話しをされセミナーは終了しました。

 

認知症の義母を介護して印象に残っているのは、片づけられず物にあふれた暮らしをして、それらの物に躓いて生活している姿でした。

物の整理をするためには自分の人生を振り返り、これからの暮らしを考える「終活」が必要です。エンディングノートを上手に使って私も人生の整理をしてみようと思っています。

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