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イベントレポート

“ら・し・さ®”の終活講座第38回『財産の管理と円満な引き継ぎ~家族信託の活用事例~』

報告橋本 秋人

開催日:2020年10月17日(土)
会 場:TKP 東京駅セントラルカンファレンスセンター ホール12A
テーマ:終活講座第38回『財産の管理と円満な引き継ぎ』
参加者:30人

東京で隔月開催されている終活講座は、新型コロナの影響で中断を余儀なくされ、今回は2月1日以来、実に8カ月ぶりの会場での開催となりました。久しぶりのリアル開催、かつ、タイムリーなテーマということもあり、30名以上のご参加がありました。

講師は、ら・し・さ正会員で終活アドバイザーの廣木涼さん。司法書士として、数多くの家族信託の実務に携わっていらっしゃいます。
(ちなみに涼さんは、ら・し・さ理事の廣木智代さんの娘さんです。)

 

まずはクイズ形式で、わが国の高齢化事情や認知症リスクの話から始まり、家族信託の基本、遺言や成年後見制度との比較、具体的事例の紹介などについて解説していただきました。

盛り沢山の内容でしたが、お話も明瞭でレジュメも分かりやすく、理解が進みました。

特に、家族信託の特徴として、二次相続以降も見据えた財産承継が可能であることは、他の手法にはないメリットであり、円滑な資産承継にも有効であることが分かります。

また、いくつかの事例の紹介があり、家族信託が、さまざまな種類の課題に対してフレキシブルに対応できる汎用性の高いスキームであることを知りました。

反面、金融実務の整備の遅れという課題や、使い方を間違えると争族に繋がる可能性もあるなどの注意点も分かり、入り口段階から経験豊富な専門家に相談することの重要性も実感しました。

参加者からの質問も多く、家族信託に対する関心の大きさが伺えた講座でした。

今後、終活アドバイザーとして、家族信託が必要な場面に出会うケースも増えると思います。

実際の家族信託の組成については、複雑で時間もかかるため、専門家のサポートが必要になりますが、終活アドバイザーが相談者と専門家との橋渡し役としての役割を果たすことにより、相談者の課題解決にも寄与し、信頼も深まると思います。

司会の廣木理事が見守る中、お若いながらも家族信託の実務を数多く経験されている廣木さんのお話は説得力がありました。2時間を超える講座も、母親譲りの堂々とした講師ぶりで、無事終了しました。

一番ほっとしていたのは、講師の廣木さんではなく、廣木理事だったのではないでしょうか。

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